1995年 2,3月号
巻頭特集は、この冬のスペシャル・イベント「アリスのワンダーランド・パーティー」なのですが、まだイベントスタート前で写真が掲載されていないため、とりあえず私のレポートを読んでもらって、また後号で写真が掲載されたらご紹介します。
アリスといえば、故ウォルト・ディズニー氏と深い関係があるのをご存じですか？実はウォルトが最初にブレイクさせたアニメはミッキーシリーズではなく、「アリス・コメディー」という実写の女の子とアニメを合成したシリーズ作品なのです。
1922年5月に、ウォルトは親友のアブ・アイワークス氏と共にラーフ・オー・グラム社というアニメーション制作会社を設立し、何本かの作品を送り出すもののヒットには結びつかず、1923年には早々と倒産へと追い込まれてしまいます。この時最後に作られたのが「アリスの不思議の国」という、実写の女の子とアニメを合成した試作品だったのです。
ウォルトは当時有名だったアニメ・プロデューサーのマーガレット・ウィンクラー女史にこの試作品を売り込み、1923年10月16日に12本のシリーズものとして「アリス・コメディー」の契約をもらうのです。ちなみに、この1923年10月26日はウォルト・ディズニー・カンパニーの創立記念日。もちろん、この時点でカンパニーは影も形も無かったわけですが、ウォルトにとって如何にこの日が重要な日だったか分かりますね。
実写に登場するアリス役は当時6歳のヴァージニア・ディヴィス。アニメ部分はもちろんウォルトが担当し、シリーズ最初の作品「アリスの海の一日」がリリースされます。結果的にこのシリーズは大成功し、5年間に渡り57本もの作品が作られます。そして資金を得たウォルト・ディズニー・カンパニーは新しいスタジオを設立し、ミッキーマウスや白雪姫などのアニメを制作しはじめるのです。
(2005.5.22)
